スライドテントは建築確認申請が必要

2023.08.20

2024.4.19

スライドテントを設置しようと思うけど、建築確認申請はしなければならないのでしょうか。

一般的建築物とは違い、スライドテントに対していろいろ疑問を持っている工場経営者の方々もいらっしゃるようです。

疑問が解決できないまま、スライドテントの導入計画を中断してしまっていることはないでしょうか。

設置しようと思っているテントが建築物に該当しないのであれば、建築基準法の規制自体が適用されません。

スライドテントの種類の中(スライド式テント)には、建築確認申請が必要ない場合もあります。

今回は、これからスライドテントを設置しようと思っている方々のために、どのようなものに対して建築物と定義付けされるのかを解説します。

どのようなものに対して建築物と定義付けされるのか

どのようなものに対して建築物と定義付けされるのでしょうか。

基本は、基礎のありなしは関係せず、簡単に動かすことができないで、かつ人が入ることができるものは建築基準法では、建築物として定義しています。

当然工場経営者の方々も、建築基準法にあるルールに従い、工場の建築を行う必要があります。

しかし、建築基準法も100%完全とは言い切れない部分もあり、昔から建築に関わる人たちは、あれこれ法律のスキマを突いて、「これは建築物ではないのではないか……?」という主張をしてきたようです。

・基礎がないのなら土地に定着していないということができるのではないか。

・タイヤがついていれば、土地に定着していないと言うことができるのではないか。

・屋根を取り外しすることができれば、屋根とは言うことができないのではないか。

建築基準法をじっくり読んでも、このような解釈がどうしても生まれてきてしまうようです。

「土地に定着する」の意味

建築基準法の定義では、建築物はすべて「土地に定着する工作物のうち」と明確化されています。

しかし明確化されている以上、逆に言えば土地に定着していないようなものであれば建築物ではないという主張ができてしまうのではないでしょうか。

そこで建築に関わる方々は、「基礎がないのなら建築物ではない」という判断に至ることになります。

しかし、正しく解釈すれば基礎がなければ建築物ではないという考え方は間違いです。

例えば最近ではコンテナを使用したビジネスが人気ですが、このコンテナを使用し地面に置くだけという場合でも、このようなものは任意に移動させることができないため、土地に定着という意味合いを持っています。

しかし、それでも基礎が存在していない以上建築物ではないという考えは、平成に入っても依然続いていました。

そして最近になってようやく、あまりにもこのような主張が多くなってしまったため統一された見解がまとまってこようとしています。

おおかた建築物は、屋根と柱、壁で構成されていて、随時、任意で移動させることができないものに対して言います。

それは、平成16年国住指発第2174号国土交通省建築指導課長通知によって明らかにされています。

スライドテントの場合建築物に該当するのか?

ではスライドテントの場合は、建築物に該当するのでしょうか。

「移動式タイプのテント」は、キャスターによる移動ができることを前提として製造されているため建築確認申請不要というセールスポイントで販売されていることがあります。

基本、膜構造の範囲については、軽微なテント工作物以外、規模であったり、利用形態、開放形式関係なく建築物として取り扱うことになります。

軽微なテント工作物であれば建築物ではありません。

ですからキャンプ用テントであったり、運動会用テントと言った一時的に使用することを目的としたモノは建築物としてみなされることはありません。

また、移動することができる温室であったり、キャスター付きのテント、移動可能、かつ開放性があり、居住や作業、集会、娯楽、また物品の陳列や保管、その他の屋内的用途のために使用することを目的としないものは建築物として見なさないでも問題ありません。

ですからスライドテントの種類の中でも「移動式タイプのテント」は、キャスターによる移動ができることを前提として製造されているため建築確認申請が必要ありません。

ただし、同じスライドテントでも、常設使用が認められるような使い方をしている場合、使用している実態により建築物であると判断されることがあります。

確認申請する時は、ほとんどのケースでは設計図書によって事が流れていくため、「可動式テント」であることが記載されてあれば、軽微なテント工作物としてまかり通ることでしょう。

ただし、それでも設置したあとの使用実態があきらかに倉庫、また作業場として使用していると判断されれば、「これはあきらかに建築物ではないか」とあとから指摘されることも過去には多く事例があります。

実際問題、このあたりの判断には法律で明文化されていないため結構難しい面もあります。よって特定行政庁ごとの取扱いをその都度チェックする必要があります。

キャンピングカーやトレーラーハウス場合は?

例えば、キャンピングカーであったりトレーラーハウスにおいては、平成25年日本建築行政会議の中の「車両を利用した工作物」に記載されている設置方法をよりどころにしています。

キャンピングカー、トレーラーハウスが建築物に該当しない条件は、

・随時、かつ任意に移動することができる状態で設置すること

・土地側のライフラインの接続の仕方が工具を使わないで着脱できること

・道路運送車両法で決められている車両(車検取得)であること

・一定の規模を超えるサイズのキャンピングカー、トレーラーハウスは基準緩和認定、特殊車両通行許可の取得が必要となる

となります。

車両を利用した工作物においては、随時、かつ任意に移動できることがより明確化されています。

開閉式タイプのスライドテントはどう扱えばいいか?

開閉式タイプのスライドテントはどう扱えばいいのでしょうか。

フレームにシート状のテントを張る上屋の場合も建築物に該当するという見方が一般的なのですが、プールテントなどを例にあげて、シートは季節ごとに取り外すので常設とは言えないから建築物ではないという主張もあります。

ただし、スライド開閉式部分は開口部ではなく、屋根自体であるという判断が一般的です。

最終的結論を言えば、使用実態によって特定行政庁が判断することになります。

反論する方々も使用実態がどうかを説明する、図書により明確化する必要は出てきます。

移動式タイプとはどのようなスライドテント?

移動式タイプは、キャスター(車輪)がついていて、移動を楽に行うことができるスライドテントのことです。

移動式タイプのスライドテントは、組み立てされた状態で工場から送り届けられることになります。ですから、作業で必要なときすぐに使用できることが大きなメリットです。時間削減にも貢献、コストも安く、手軽に利用することができます。

既に解説したことですが、移動式タイプのスライドテントは建築確認申請が不要なテントとしてセールスされていることがあります。

キャスターで移動することを前提として作られているので、建築物として扱われない「軽微なテント工作物」に該当し、建築確認申請が不要という解釈の仕方です。

ただし、移動式タイプのスライドテントの場合でも移動させないで固定式テント倉庫のような方法で使用するケースでは、建築物としてみなされることになり是正であったり撤去と言った行政命令を受けてしまうことがありますので注意が必要です。

移動式タイプのスライドテントの大きなポイントは、キャスター付きテントならではの「可動性」を充分に活かしきり示すことです。

スライドテントはこのような場所で活用されている

キャスター(車輪)付き、かつジャバラ構造で伸縮可能なスライドテントであれば、工場間の通路屋根としても有効活用することができます。

また、長尺物であったり重量が嵩むモノを動かさないでもスライドテントを動かすことにより作業を効率よく行うことができます。

必要に応じ広げたりしまったりすることができるため、フレキシィブルに使用することができ、一時的な雨除けや日除けとしてなどで使われています。

また、使用期間が一定でないイベントなどでも、耐久性のある仮設テントとして有効活用されています。

まとめ

いかがでしょうか。

今回は、スライドテントの場合、建築確認申請が必要か?という質問にお答えしました。

基礎のありなしは関係せず、簡単に動かすことができないで、かつ人が入ることができるものは建築基準法では、建築物として定義しています。

スライドテントの種類の中でも「移動式タイプのテント」は、移動できることを前提として製造されているため建築確認申請が必要ない場合があります。

ただし、同じスライドテントを使用していても常設使用が認められるような使い方をしている場合、使用実態によって建築物であるとみなされることがありますので注意が必要です。

CONTACT

購入したい商品が決まっており、
どのくらいの値段で設置できるのか知りたい
WEBで簡単10秒入力
オンライン倉庫見積り
テント倉庫含めて問い合わせがしたい
お電話でのお問い合わせ
WEBフォームからのお問い合わせ